2012年12月11日火曜日

デフレの脱却



 自民党安倍総裁がデフレ解消について言及しているため、議論が活発になってきているようです。デフレは世界でも日本だけという
状況なのですから、これは歓迎すべきことです!

 しかし、「金融緩和だけでデフレが脱却できるのか」という問題については、少し懐疑的です。私は、日銀や財務省の多くの方々同様、法学部出身なので(もちろん、大学は最高学府ではありません・・)、経済のことはよくわかりませんが、経済というのはもっともっと実態経済に近いものなのだと思います。

 金融緩和はきっと必要なのでしょう。しかし、それでお金が市中に回るとは思いません。そのうちお金はでてくるのかもしれませんが、銀行や大企業が貯めこんで終わりなのではないでしょうか。

 それよりは、超低所得者に現金を配る、または、期限付き商品券を配るということをした方が、一気に経済はあがるのではないでしょうか?昔、公明党が商品券を配るということをやりましたが、そのときは総額が少なく、配ったのは老人と子どもだったと思います。今回は必ず使う人に配るということです。この方法は、実は、あの悪名高きヒトラーがやった経済政策です。そのときは、効果がでています。

2012年11月7日水曜日

田中大臣の3大学不認可問題の方向性

田中大臣の3大学不認可問題。

田中大臣が言っていることは至極真っ当である。

・大学の質が落ちているから、上げなければならない
・大学経営も認可基準に入れないと創造学園のようなことになる
・よって、認可基準を変更すべし!

これだけみれば、誰もが賛成するだろうが、
これまでの基準で進めてきた3大学にとっては、関係ないことだ。
法に遡及効はないので、これは法律違反の可能性すらある。

しかし、さらに田中大臣の言う

・認可も受けていないのに建物を建てている
・認可も受けていないのに生徒を募集している

というのは、確かにオカシイ。

よって、田中大臣の方向性は正しいが、
3大学は認可せざるを得ない。
何ら落ち度がないからだ。

方向性が正しいのに、
提起の仕方が間違っていた残念な結果だ。
確かに、次回の認可時には政権にいないことはほぼ間違いないから、
焦りもあったのだろう。

2012年11月6日火曜日

iPhone5への機種変更は止めにした!

温度も20度を切り、かなり寒くなってきた中、今日は雨が降って、相当な寒さとなった。かなり厚手のコートを羽織ってはきたものの、首にもストールもしてきたらよかったなと思ったりもするほどの寒さだ。

iPhone4Sを使う自分のところへ、ソフトバンクから20000円での買取&基本料金の1年間半額のメールがやってきた。

”これは得なのか、損なのか?”

”そもそも、機種変更が必要か、不要か?”

などといったことが頭をめぐる。そんなことが頭をめぐりながらも、とりあえず、ヤマダ電機へ行き、綺麗な女性の店員さんに聞いてみる。

「4Sをどのぐらいお使いですか?」

いつから使っていたかな?まだ1年ぐらいだろうか?

「それですと、余計に毎月2500円ぐらいかかりますね」

それが1年かかるとすると、3万ぐらい余計に払うことになる。
それでもメリットがあるのかどうか?

「また来ます。ありがとうございます」

と告げ、踵を返す。

うーーーん、いらないか・・・。
確かにスピードが早いというのは羨ましいが、別に遅くてもいいじゃないかという別の自分もいる。

よし、いーーーらないっと!

のぼうの城~徳の現れ方~

「のぼうの城」を読んだ。
映画も上映中の作品だ。
結論を先に言うと、傑作でした!!!

のぼうの城 上 (小学館文庫)

石田三成とのひとつの戦争を描いたものだが、
常に爽やかさ、清々しさを感じる作品だ。

のぼう様と言われる城代が主人公なのだが、
家来だけでなく、領民にも馬鹿にされている。

しかし、彼は、彼らから愛されている。

戦わないはずの戦争だったが、戦うことになったとき、
領民はのぼう様のために立ち上がった。

人の「徳」というものは不思議なものだ。
圧倒的に徳が現れる人もいれば、
のぼう様のように、ふとしたときに実は「徳」があったのだと気づくような人もいる。

こういう人たちは「徳」というものを気にしていないようだ。
凡人は気にするしか、それを身につけることはできないだろうが、
それでも、身につけられれば、のぼう様のように愛される存在になるのだろうか?

2012年10月10日水曜日

組織戦略の考え方~意思決定できない組織~

組織作りの基本は官僚組織である。
様々な組織形態が試されてきたが、
基本はやはり、官僚組織である。
私が、クライアントから依頼されて、組織を作るときも、
オーソドックスなものを作る。
組織作りに奇策はない。

しかし、理想の組織というのはなかなか作れるものではない。
なぜなら、組織は紙の上で完成するものではなく、
所詮は人間が動くものだからだ。

理想の組織にするには、
組織を作った人の思った通りに動ける人が100%必要になる。
そんなことは有り得ない。
特に、マネジメントレベルとなると、完全に人が足りないというのが普通だ。
「誰か外にいないかなぁ」というのが、
ほとんどの経営者の決まり文句になる。

そして、その組織を完全に活かすためには、
トップの意思決定が不可欠となる。
実はこれができない会社もかなり多い。
以下、これを読んだ方が理解が早いので引用する。


「わが社では、トップが決断できない」という場合もあるだろう。
・・・
社内の公論がまっ二つに割れるような状況では決断できずに、
決定を先延ばしにしていってしまうことが生じる可能性がある。
トップが決断できない人であっても、
トップ周辺の人間がトップに無理矢理に決断を迫ることができれば、
どうにか組織は動いていくだろう。
・・・
しかし、「そのトップ周辺の人々も決断できない」という会社の場合には、
これはもうどうにもならない。
早々に転職を考えるべきであろう。」

『組織戦略の考え方-企業経営の健全性のために』沼上幹 ちくま新書より引用


といっても、こういうトップを戴く会社は、
遅かれ早かれ崩壊することは間違いない。

組織戦略の考え方―企業経営の健全性のために (ちくま新書)

緊急時対応不足な日本の医療

昨日の深夜、三歳の息子が急に中耳炎になり、川越救急クリニックへ。
小さな子は、突発的に病気になることが多く、
我が子もこれで三回か四回は夜中や土日に診てもらっている。


以前、この川越救急クリニックについてブログ

イジメられてる!?奮闘中の川越救急クリニック

に書いたが、
このブログ、実はかなりのアクセス数があり、
関心の高さを伺わせる。

日本の病院は、ほとんどが土日祝日は休診。
おまけに火曜休診とか水曜休診とかいうところも多い。
しかし、病気は急に襲ってくる。
我慢できる大人ならまだしも、子供は何処が痛いのかもハッキリ伝えることも難しい。
そんなとき、病院は唯一の助けとなる。

日本は医者が足りないらしい。
これから、医療難民もでかねないということも聞く。
では、国や自治体は何をしているのか?
川越救急クリニックのような、国民のためになる病院に他と同じ待遇すらしていない。
小児科も減っているらしい。子供が産まれるときに何かあって、
裁判になるということもあるということなども原因となる。

川越では愛和クリニックという産婦人科が川越の90%を超える子供を扱っているらしい。
どう考えてもおかしい。
国は、この少子化という時代に、子供が安心して産める環境を整えなければならない。
それは、金銭的なことは勿論、医療や教育、出産、すべてを整えなければならない。
今回の野田改造内閣では、少子化担当相が、金融担当大臣と兼務らしい。畑違いも甚だしい。
人が一生を安心して過ごせる国家過ごせる作りが政治のなすべきこと。

・安心して出産できること
・いつでも安価に医療にかかれること
・高度な技術力
・医療関係者が安心して医療活動ができること

があげられる。
それには、いまより多くの社会保障費がかかる。
その分、他から削るしかない。
また、これをやることで、医療ビジネスからの税収も増えるはずだ。

2012年10月1日月曜日

WBC監督問題について

WBC監督が誰になるのかがなかなか決まらない。

王監督は既に現役を退き、秋山監督や原監督は現役であるが故に、辞退。
落合元監督は、100%ないと完全拒否。
いま、白羽の矢が立っているのは、山本浩二元広島監督である。
しかし、既に10年以上、現役から遠ざかっており、
素人の自分も、ちょっと心配だ。
個人的には野村監督などが、手腕もOKだし、
現役退いてからもそれほど経っていないので、いいのではないかと思うが、
候補にもなかなか上がらない。

この問題は毎回4年毎に起こりうる。
数年前に星野現楽天監督がオリンピックの監督をやって、
メダルを逃したときに、相当なバッシングがあった。、
このことも、今回、拒否する人が多い理由の一つではないだろうか?
それも、2回連続で優勝している大会である。
プレッシャーは相当のものである。

毎回揉めることが想像できるのであれば、
ルールを決めておけばいいのだ。
その年(もしくは前年度)の、日本チャンピオンチームの監督が、
WBCの監督になる。
前年度にした方が、周囲を固めるコーチを決めておいて、
現役監督がペナントレースを戦っているときも、
情報収集や選考ができる。
つまりは1年前から準備をしておくということだ。

日本プロ野球機構は、WBC参加問題でもリーダーシップを発揮せずに、
選手に任せた格好になっていた。
こういうときに、リーダーシップを発揮しなければ、
そもそもいらない組織になってしまう。。。


2012年9月29日土曜日

「動機善なりや、私心なかりしか」稲盛和夫氏の経営

「動機善なりや、私心なかりしか」

京セラの稲盛和夫会長のお言葉である。

「稲盛和夫 独占に挑む」渋沢和樹 日経ビジネス人文庫
は、電電公社(NTT)の独占体制を壊し、
日本の通信料を安くするために稲盛氏を先頭に戦った記録である。

稲盛和夫 独占に挑む (日経ビジネス人文庫)

私が大学生のころには携帯電話は一般的ではなく、
車載用電話も異常に高かった覚えがある。
携帯電話は私が働き始めてから一般的になってきたので、
20年程前になろうか?
大学の時に携帯電話があったら、生活もかなり変わっていたなぁと、
今の学生を羨ましく思うこともある。

一応、述べておくが、稲盛氏が作った会社は、今のKDDI。
”au”の携帯電話を販売している会社でもある。

稲盛氏はこの会社を全くのゼロから立ち上げている。
インフラは何もない状態からの立ちあげだ。
当時、通信の自由化が国家政策として打ち出されたものの、
稲盛氏の会社しか完全民間会社はなかった。
他の新規参入通信会社はいずれも鉄道や高速道路を擁し、
全くの徒手空拳の会社だった。
しかし、たった8年で上場企業となった。
完全なゼロから立ちあげたこのウラ話は何とも凄い。
凄すぎます。

しかも、稲盛さんは上場時の株式は一株ももらわず、
さらに給料すらもらっていない。

まさに、
「動機善なりや、私心なかりしか」
と、この会社を設立するときに、
稲盛氏が自らに何度も確認した通りの行動を起こした。

自分も日々の行動を反省しなければならない。
動機善なりや、私心なかりしか」と・・

2012年9月18日火曜日

人間のやることは昔から変わらない~『三国志第11巻』宮城谷昌光~

宮城谷三国志もついに11巻。

既に曹操、劉備、諸葛亮孔明も亡く、唯一残る創業者の一人は呉の孫権のみとなっている。
その孫権も老いて、国を乱す基になってしまい、陸遜まで無実の罪で殺してしまう。一方、魏も皇帝、丞相に人物が居らず、司馬氏一族のみが三国での残る英雄といった情勢に!その司馬懿も病により亡くなり、話は次代へ。

国のTOPである皇帝、丞相が腐れば、自然と国家の幹は腐っていく。歴史の短い魏、呉、蜀はその腐り方も早い。次に中国を制するのが司馬一族というのも、ここまで読むと必然に思えてくる。

国も会社もどんな組織も、TOPばかりでなく、上層部が腐る、つまり
・私益に走る
・権力獲得合戦を社内で行う。敵は競合他社ではなく、社内になっている。
・社内に仮想敵を作る文化。
・私党を作る
・TOPが責任をとらない
・・・・
こうなれば、どんな組織も崩壊する。

歴史は、いろいろなことを教えてくれるが、逆に考えると、昔から人間のすることは変わっていない。残念なことでもある。


三国志 第十一巻

2012年9月3日月曜日

選挙制度改革

政治を変えるためには、
選挙の仕組みを変えることもひとつの方法だ。

当然といえば、当然であるが、
政治家に選挙制度を任せれば、
自分にとって一番有利な方法を選挙制度に取り入れる。
選挙制度は、国民から成る選挙管理委員会というようなものを作り、
定期的に見直すのがいい。

選挙とは離れるが、
政党助成金というのも、かなりおかしな制度のように思える。
自分たちがお金をもらう仕組みを自分たちで作るのは、
社員が自分たちで給料を決めるようなものだ。
こういうものも、国民から成る委員会のようなものに任せる仕組みを作るといい。

さて、選挙制度であるが、
選挙は
1)志ある人が誰でも立候補できる
2)お金の有無が関係ない
3)有権者が理解しやすい
ということが柱となるべきと考える。

すると、制度としては、下記のようなものが望ましいのではないか?
1)立候補の際の、供託金をなくす
2)選挙戦は、インターネットと新聞折り込みのみとする。
 現在も使えるお金の上限は決まっているが、怪しいこと甚だしい。
 インターネットやSNS、新聞折り込みによってのみ選挙ができることとし、
 内容は原則として自由とする。
3) 話題のトピックに関しては、それぞれの候補者の意見を発表する。
4)これまで通りNHKで候補者の演説を流し、さらに公開討論会を開き、それもNHKで流す。

供託金をなくすと、変な人が立候補してしまうのではないかという人もいるだろう。
今でも変な人はたくさん立候補して、当選してしまっている人もいる。
何も変わらない。
立候補者が増えるということもあるかもしれない。
それはそれでいい。国民が選ぶことだ。
 

2012年9月1日土曜日

経済とは、民を済うこと。いかにして世を治めるかが問題

世濟民(けいせいさいみん、経世済民)とは、中国古典に登場する語で、文字通りには「世を經(おさ)め、民を濟(すく)う」の意。
-Wikipediaより抜粋 -

上記の如く、経済とは

「世を治め、民を済う」

ことである。
しかし、今は苦しみしかもたらしていない。

世を治めるということができていないからだ。
いかにして世を治めるかということが古来考えられてきた。
国民は主権を手にしたが、本当に手にしているのだろうか?
確かに選挙権は持っているが、国民が期待したことは蔑ろにされ、
期待していないことばかりが実現されていく。
そして、政治に期待感はなくなる。
自殺者も13年連続で3万人を超えている。
この数は、昨今の戦争でもない数字だ。
戦争以上の人が、この平和な日本で自ら死を選んでいる。

いかにして世を治めるのか?
それは、『国民のために真に何をすべきか』に立ち返るしかない。
それは決して消費税なんかの問題ではない。
ましてや、衆議院の議員数の問題でもない。

いかに暮らしやすい世の中を作るいかということだ。

富山県高岡市の再生

休みに実家のある富山へ行った。
昔通った高岡駅に行ったのだが、言い過ぎかもしれないが、ゴーストタウン化していた。
まさにシャッター通りだ。

20数年前に高校に通うために毎日通っていたのだが、
その頃と比べて新しいホテルもできていたし、
駅も新しくするようで、工事中だった。
しかし、肝心の街はシャッター通りだ。

人口は、平成17年の182,822人をピークに、
現在の176,631人に減っている。
これは、日本全体で人口が減っているので、
こんなものなのだろう。



しかし、私がいた頃に比べてかなりのゴーストタウン化である。
駅前というショッピングの中心が、
郊外型のショッピングモールへと変わっていったことも大きな要因かもしれない。
観光客がいても、この状態では、二度と来ようとは思わないのではないか?

都市が発展するための条件としては、
経済の活性化、人口、雇用、若者が多いことなどが挙げられよう。
そのためには、合併をした市町村でもまだ小さくて、
もう少し大きな自治体にして、全体での都市建設を検討すべきだろう。

また、若い人が減っていく現象を食い止めるためには、
雇用する企業の誘致がまず先決だ。
日本海側のメリットを活かせる中国や韓国、ロシアなどの企業の誘致も考えてもいい。
法人税の減免を行なっても、人口が増えれば、税収は上がる。

さらに、子育て支援、教育の教科により、
若い世帯を増やすことをすべきだ。
民主党の子ども手当ぐらいでは、子どもを産んでもいいとはなかなか思えない。
医療費無料、教育費無料、子ども手当の増額など、
子どもを産んでも生活費が少なくならないような配慮が必要だ。
大人になれば、その分、税金はもどってくるのだ。
先行投資と考えればいい。
また、大学もどうしても、東京などに行きがちなので、
大学の誘致も検討してよい。
海外の大学の分校を誘致してもいい。
日本の教育に疑問が持たれている現在、
本当に人が生きていくための教育を目指すということもあっていい。

やれることは、まだまだある。
都市再生のための戦略作りが必要だ。

しかし、高岡駅の立ち食いうどんは懐かしかった・・・。
いまだに美味しい!








2012年8月15日水曜日

給料交渉の舞台裏

給料をあげたい。
それは、誰しもが思うことだ。

しかし、会社がなくなれば、給料が上がるとか下がるとかいう次元ではなく、
全くのゼロになるということだということがわかっていない人は多い。

ゴネれば上がるという会社もあるかもしれない。
しかし、そういう会社は仕組がしっかりしていない、
社長が鉛筆なめなめ決めているところがほとんどだろう。

社員:「社長、この給料じゃ、生活できないですし、今の仕事量からすればやってられないです」
社長:「そうか・・・なら、このぐらい上げたらどうだ?やってくれるか?」
社員:「もう少し欲しいですけど、まぁとりあえず、いいですよ」

こんな会話が聞こえてきそうだ。
正直、双方ともに情けない人だと思う。
本来このような社員に社長は、どうすべきか?

社員:「社長、この給料じゃ、生活できないですし、今の仕事量からすればやってられないです」
社長:「そうか・・・なら、仕方がない。転職するしかないだろう。
    君のうちでの市場価値はそのぐらいだ」
社員:「でも、僕が抜けたら、この会社は結構大変なことになると思いますけど・・」
社長:「そうかな?まあ、しばらくは大変かもしれないけど、そんなに影響ないよ。
    自然と穴は埋まるものだよ」

こんな感じで話せないものだろうか?

また逆のケースはどうか?

社員:「社長、今期は、僕はこういう実績を残しました。それを踏まえて給料を決めてください」
社長:「よくやってくれたな。では、このぐらいでどうだ?」
社員:「僕の市場価値でも、僕の調査によるとこのぐらいです。」
社長:「どうやって調べたんだい?そんなことがわかるのかい?」
社員:「僕の知り合いの人材紹介会社で調べてもらいました。
    僕の実績、能力などを考えると、少なくともこのぐらいはもらえるそうです」
社長:「わかった。では、その額でこれからもよろしく頼むよ」


まー、こんなにうまくはいかないと思うが、
大事なのは、”市場価値”というキーワードだ。

会社側、社員、双方が”市場価値”を知っていた方がいいし、
”市場価値”をあげるためには、何ができなければならないのか。
どんな能力が身についていた方がいいのかを考えておかなければならない。

会社側も不当に安い給料で雇おうと思っていてはいけない。
正当な給与額というものを真剣に考える必要がある。
必要な人には、それだけの価値があるということだ。

しかし、残念ながら、ほとんどの人は、
泣き寝入りせざるを得ない人、そのままウン!と言わざるを得ない人、
ゴネて何とか上げる人・・・である。

自らの本当の市場価値をはかることが重要だ。
その上で給料交渉をすべきだ。

給料は会社に原資がなければ払えない。
そのためには、売上を上げること、コストを下げることしかない。
しかし、そのためのアクションを何もせずに、
ゴネるだけというのは、あまりにもさもしい・・・。



2012年7月18日水曜日

いじめをなくす方法を考える

今回のいじめによる自殺は、事例として酷すぎるためか、大きなニュースとなっている。


学校において、いじめという問題が生じて久しいが、
そろそろ、いじめをなくすということを真剣に考えなくてはいけない。
その方法をいくつか考えてみる。

1)いじめを刑事罰とする。
万引きや暴力を行うと罰を受ける。
それと同様に刑事罰して規定する。
いじめをすれば、逮捕されるとなれば、する人は必ず少なくなる。

2) 学校のあり方を変える。
小中高とクラスが決まるとずっと同じメンバーで最低1年は過ごすことになる。
これは、逃れようと思っても息抜きすらできなくなる。
大学のように、教科によってクラスが変わるということになれば、
固定化されなくなり、息抜きができる環境ができる可能性が増える。

3)教育委員会のあり方を変える。
いまの教育委員会が誰のためのものかわからないものから、
あり方を変える必要がある。
子供のための機関として権限と責任を明確化する。

4)教師の復権
昔の先生はビンタなど暴力があった。
今、行ったら大変なことになるらしい。
暴力を礼賛するわけではないが、
悪いことを行えばそれ相応の報いを受けるということは当然の報いだ。
学級崩壊という現象も、
教師の威厳がなくなったということが大きいのではないか?
 

2012年7月3日火曜日

荀子の言葉

宮城谷昌光さんの「奇貨居くべし」・・・何度目の復習だろうか?
「孟嘗君」が一押しだったのだが、
ここ数年は「奇貨居くべし」が一押し。
荀子の存在があるからだろうか?
ものすごい深い話に、何度読んでもお宝を発見できる。

「天下に名が知られるようになったら、天下とともに仁を楽しめ。
天下に名が知られなければ、かい然として天地のあいだに独立して、畏れてはならぬ。」

前回に続き、これも荀子から孟嘗君への言葉である。

そう、名を売るということ、これは昨今、パーソナルブランディングという言葉が流行りにように、
非常に重要なことかもしれない。
名が広まっていることは、何事かを為すときに、大きなアドバンテージとなる。

しかし、名が通っていなくても、
堂々と独立していればいいのだ!
と、当たり前のことながらも、
大きく背中を押してくれる言葉である。

やるべきことをやる。
そして、結果によって何も変える必要などない。

何も畏れることはない。


奇貨居くべし―火雲篇 (中公文庫)

本当の「こころざし』とは?

「花をみよ。早く咲けば早く散らざるを得ない。
人目を惹くほど咲き誇れば人に手折られやすい。
人もそうだ。
願いやこころざしは、秘すものだ。
早くあらわれようとする願いはたいしたものではない。
秘蔵せざるをえない重さをもった願いをこころざしという。
なんじには、まだ、こころざしがない。」
『奇貨居くべし(火雲篇)』宮城谷昌光

これは、荀子が少年・呂不韋にかけた言葉だ。
呂不韋は、後に秦の中国統一のきっかけといってもいい存在となる。

自分は、
人に言えば、前に進まざるを得なくなると思い、
自分のこころざしを多くの人に伝えてきた。
しかし、振り返ってみれば、それは軽いものだったのかもしれない。

秘蔵せざるをえない重さをもったこころざしを、
心に秘めて、
再度、チャレンジしてみたい。

本気で進めば、
雑音など気にならなくなることは間違いない。

時間も大切にするに違いない。

人とのつきあいも打算ではなく、
大事にするに違いない。




奇貨居くべし―火雲篇 (中公文庫)

2012年6月25日月曜日

マニフェストに書かれていない政策を達成するということ

税と社会保障の一体改革という名の、増税法案が国会を通ろうとしている。

政権党のマニフェストには一切書かれていないどころか、
ときの鳩山首相は4年間は増税しないといい、政権をとった。

数年前のマニフェストに必ずしも縛られる必要はない。
政治は生き物。
そのときどきで、様々な問題が生じる。
しかし、財政再建は選挙時に既にわかっていたこと。
やるのであれば、マニフェストに書くべきだっただろう。

昨年、民主党はマニフェスト達成度の中間報告をしている。
どういう計算か、56%の達成率らしい。
よくみると、何のことはない。
一部実施も含んでいる。

高速道路無償化もちょっとやった。
子ども手当も話がちがうけど、やることはやった。
などなど、ちょっとだけやったものも入っている。
そんなの当たり前だ。
手を付けていない44%が、本当にヤル気があるのかと疑いたくなる。

こういう騙されやすい数字は世の中に数多い。
実際に達成しているものは、本当に少ないだろう。
一般的感覚では、何もしていないとしか思えない。

そして、唯一やることは、
マニフェストに書かれていなかった消費税増税だ。

政治家が信頼されないのも致し方ない。


2012年6月19日火曜日

マネジメントを知らないということ

マネジメントを知らない人に経営はできない。

論理を知らなくても、

組織ということ
マネジメントということ
人を育てるということ

それを知らない人が管理職という仕事をすることはできない。
もちろん、経営なんてとんでもない。

こういう人が上に立つとどうなるか?

組織内が不調和を起こす
会社が維持できなくなる
誰からも理解を得られない
優秀な人間から辞めていく
・・・

という悪循環に陥る。

経営者は”徳”というものを持っているということが理想ではある。
しかし、それは難しい注文だ。
ただ、マネジメントを理解し、実行することはできる。
知らなければ、知っている人に頼めばいい。

しかし、マネジメントを知らない人が、
自分ができないから、他の人に頼むという行動はおそらくできない。
とすれば、
マネジメントを理解出来ない人は、
決して上に立ってはいけない。

不幸な人を増やすことにしかならないからだ。

2012年6月13日水曜日

会計本来の意味を知ろうとしない経理マン

前回、
「ビジネスマンで会計を知らない人はヤバイ」
というブログを書いたが、
実はその専門であると他の部署、職種の人なら思う経理マンでも、
会計を知らない人は多い。

彼らがやっているのは、
入力作業でしかない。

入力されて、でてきた結果から、何を読み取るか、
そして、どこへ向かうべきかということを考えている経理はあまりいない。
数字をみているということは、それだけアドバンテージがあるのだが、もったいない。

一般の社員が上場会社のように発表されていない財務諸表を手に入れることは難しい。
会社が見せてくれないのがほとんどだろう。
経理はそれを見ることができる。
でも、見ない。
それは自分の仕事ではないと思うからだ。

自分の仕事とは、本来、会社に与えられたものだけであるべきではない。
自らの方向性を考えて、プラスαの仕事をしていかなければならない。
でも数字入力に甘んじている人がほとんどなのだ。

よって、会計本来の意味を知っている人はかなり少ないことになる。
だから、武器になるのだ!


ビジネスマンで「会計」を知らない人はヤバイ

会計を知らない人は多い。
何も経理同様の仕事を知っている必要はないが、
財務諸表を見て、ある程度理解できるということは、
ビジネスマンなら必要だ。

損益計算書はわかりやすいので、
財務諸表でそちらを見る人も多いが、
それだけで会社の真実はわからない。

黒字なのにキャッシュがほとんどない会社もある。
いわゆる黒字倒産という事態になる会社だ。

大前研一氏によると、
ビジネスマンが備えるべき3つのツールは、
・会計
・英語
・IT
ということだ。

また、会計とはどういうもので、
どう理解すべきかということが簡単に書かれている本に、
稲盛和夫氏の「実学」がある。
これは、私が会計を教える際にはいつも確実にオススメする本だ。

会計を知らずして、
・会社の方針に文句は言えない。
・給料が高いの低いのは言えない。

だが、知ると、なぜそういう戦略をとるのか、
また、こういう戦略をとるべきだ!ということこともわかってくる。

ぜひ、読んでみてもらいたい。


稲盛和夫の実学―経営と会計

即戦力の磨き方 (PHPビジネス新書)

ただの消費税UPではなく、税体型の抜本的改革が望まれる

税と社会保障の一体改革論議が進んでいる。
が、一体改革とは名ばかりで税制改革、というよりは消費税率UPだけの話がほとんどだ。

首相はマニフェストを無視し、自らの使命と高揚感を持ちながら、
ただただ突き進んでいるように見える。
権力者の間違った使命感ほど怖いものはない。

まだ修正協議とは称する民自公の協議の途中だが、
マニフェストで掲げた政策は次々と下ろしている。
であれば、野党が言うように解散すべきだろう。
首相の政治生命など知ったことではない。

いま、最も重要なのは、財政再建ではない。
デフレの脱却だ。

税制改革というのであれば、
消費税などちょこちょこと小手先で変えるのではなく、
抜本的に変えるべきだ。
法人税を払っている企業は極わずか。
さらに国際競争力をつけるために世界的に法人税は下げる方向。
儲かっている企業から税金をとるべきだという議論があるが、
そんなことをしていたら、日本に企業はなくなってします。
だったら、すべての企業のBSに例えば1%だけかけて、
それを税金にするという資産税を取り入れるだけでも大きな税収となる。
さらに、ひとつひとつの企業にとってもそれは安い。
そのかわり、消費税や地方税などなどはすべてなくす。
もっと言えば、個人もBSを作って、それが無理なら、
現預金などを補足して同じ資産税をかけてもいい。
そのかわり、社会保険料や所得税は廃止。
(詳しくはこちらのページを・・『復興税×資産税×日本復活』)

民主党のマニフェストにこうしたことが書かれていたのではないが、
こういう大きな変化を国民は民主党に望んだのではなかっただろうか?

今、税金をあげてしまうと、また消費が冷え込み、
デフレの上にまたさらなる不況が巻き起こる。
日本は沈みに沈む。
消費税をあげても、税収は増えない・・。

2012年6月11日月曜日

カントのいう『専制』が日本で起きている

『厳密にいうと民主制は必然的に専制になる。
というのは民主制の行政権のもとでは、
一人(同意しない者)がいても
全員の賛同とひとしく、
その結果として、
全員ではない全員が決めていくことになる。』
「永遠平和のために」カント 集英社
 
まさにこの言葉が響く昨今だ。
多くの国民、多くの政治家が反対しても、
原発は再稼働する。

民主制という国の仕組みからして、
カントがいう専制にならざるをえないということは理解できる。
建前では、それは国民が選んだということになる。
しかし、ヒトラーも国民が選んだ。

今、世界は結果的には、民主主義が最も優れた仕組みと考えている。
しかし、新たな仕組みというものを考えてもいい時代にきているような気もする。

永遠平和のために


2012年6月8日金曜日

原発再稼働への総理の決断

国民生活を守るために原発稼働。
国民生活を守るために原発は稼働しない。

この二つは次元が違う気がするのだが、たった一年前の事故をもう軽んじているようにしか思えない。

2012年6月5日火曜日

自らを律する人がこれからの時代に必要だ

スティーブ・ジョブズはアナーキーな状態のアップルに「責任」という概念を持ち込み、最悪の状態から、世界一の企業に育て上げた。

『アップルには自由な反面、意外なほど厳格な部分もあります。・・・上司からの業務命令は絶対で「右向け右」と言われたら右を向かないと辞めさせられると言っても大げさではないほどなのです』
                  「僕がアップルで学んだこと」松井博 アスキー新書より引用

多くの会社にはこの当たり前の概念の「責任」というものがない。また、アップルのような業務命令に絶対という厳しさもない会社も多い。

責任を果たさず、業務命令にも従わず、自らの権利だけを声高に述べる人は多い。

人間は弱い。
ラクな環境があれば、そちらへ逃げようとする。
それを制約することは、なければそれに越したことはないが、必要悪の一つだ。

会社が本当に社員のことを考えれば、
この「責任」を果たさせることや、制約を課すことは、
その人にとってプラスになるはずだ。
この本に書かれているように、自由だけが、人の創造性などを伸ばすわけではない。

しかし、残念ながら、会社も社員のことを本当に考えているとはいえない。 
社員の要望に答えるだけが社員のことを考えているということにはならない。
社員に徹底的に厳しくすることも社員のことを考えているということにはならない。
中庸が大事だ。。。

このように考えると、やはり会社という組織自体が、
もう少しで賞味期限切れになるのかもしれない。
会社は学校ではない。
様々なルールを作り、それに従わないものには罰を与える。
当たり前のことなのかもしれないが、嘆かわしいことだ。

人は自らの力で自分を律することができるはずだ。
増長しないこと、責任を果たすこと・・・。


僕がアップルで学んだこと 環境を整えれば人が変わる、組織が変わる (アスキー新書)




増長する社員を抑える秩序

『ジョン・スカリーやマイケル・スピンドラーがCEOだったころのアップルというのは、
顧客よりも自分の都合を優先する社員たちを増長させ、
履き違えた自由を許してしまっていました。
人間とは周囲に流されやすい生き物ですから、
ラクな方へラクな方へと流されていきます。
会社はそんな人間の集合体です。
ですから一度悪い流れができてしまうとズルズルと悪化の一途をたどっていきます』
「僕がアップルで学んだこと」松井博 アスキー新書より引用

人間は弱い。
しかし、だからといってルールを作って、がんじがらめにすればいいということでもない。
程よい秩序が必要だ。

増長する社員も悪いのだが、
増長した社員のゴネ得を許してしまう会社はもっと悪い。
アップルの場合は、スティーブ・ジョブズの復帰により、
秩序がもたらされ、その後の快進撃に結びついた。

上記書籍に書かれているように、
人間はラクな方へ流されるものであり、
その集合体である会社が秩序を作らなければ、
ただの無法集団になるだけだ。

毅然とした会社そして経営陣の姿勢が組織崩壊を防ぐはずだ。

僕がアップルで学んだこと 環境を整えれば人が変わる、組織が変わる (アスキー新書)

2012年5月28日月曜日

イジメられてる!?奮闘中の川越救急クリニック

息子が腹痛と発熱を起こして、私と妻はアタフタ。

日頃いきつけの病院は、土曜日は午前中だけ診療、日曜は休み。
そして、他の病院も同様。
ふと、以前一度だけ、息子が深夜の腹痛により探しに探した

川越救急クリニック

のことを思い出して、すぐに向かった。
土日は診療している。

行ったら、息子の状態はたいしたことはなく、大丈夫で安心をした。

私が待合室で待っていると、新聞の切り抜きが貼ってある。
暇なので読んでみると、
なんと、

「県から救急告示病院の指定を受けられず、指定病院がうけている診療報酬の救急加算がうけられず、厳しい運営を強いられている」

「休日当番医など市の刊行物にも表記されないため、救急病院として市民に認知されていない」

という記事が・・・。

これはイジメか???

なんで、埼玉県や川越市はこういう病院を応援しないんだ?

そういえば、私もどこの病院も判を押したように、土日の診療はやっていないから、
インターネットで探して、見つけたのだったな。

エンゼルバンク(三田紀房)というマンガで、
2025年に東京23区に家のある人は大丈夫だが、
特に千葉や埼玉に住んでいる人は、
人口数当たりで必要な医者の半分しかいないので、
急病のときに救急車でたらい回しになる可能性があるらしい。

しまった!埼玉に住んでしまっている・・・。

県や市も、こういう大事な病院にこんな仕打ちをしている。
改善されるとは思えない。。。

国は社会保障制度を何とかしないと膨大な費用が毎年かかっている。
しかし、反面、医者が足りない。

予防医療や共同体(コミュニケーションの場)の構築、電子カルテなどなど、
まだまだできることはあるはず。

とにかく、こういう病院には、本当に頑張って欲しい。
2億の借金を背負って開設して、経営はトントンらしい。。。

がんばってください!上原先生!






独立国家のつくりかた

『やりたいことは無視して、自分がやらないと誰がやる、ということをやらないといけない。しかも、それは実はすべての人が持っているものだ。絶対に。なぜなら人間は考える葦というじゃないか。考えているのだ。自分の得意なこととかやりたいこととかはどうでもよくて、ただ考えている。それを口に出す』
-「独立国家のつくりかた」坂口恭平より引用-

「やりたいことをやる」
ということがいいのだ!ということが昨今言われてきた。
しかし、著者はそれを一歩進めているように感じる。
「自分がやらないと誰がやるということをやらないといけない」
と言っている。
それも、それはすべての人が持っているという。

自分がやらないといけないこと、考えるだけでも、いくつも浮かぶ。

いつの間にやら、
いろいろな言い訳、逃げを行なってきたようだ。

すべての人が、自分がやらないと誰がやる、ということをやれば、
日本だけでなく、世界が変わるはずだ。

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

2012年5月25日金曜日

元人気企業社長のやってしまった経営ミス

先のことで終始するということは残念な結果を引き起こす。

下記のリンクは、元ワイキューブの社長の告白インタビュー記事である。

高額給与は社員のためにならず・・倒産した元人気企業社長の告白

私は、この記事の元となる本も拝読したが、
社長はある理念をもって、経営を行なっていた。
しかし、それのいくつかが間違っていたということだ。

長は、自社を人気のある企業にしたかった。
そして、バーをつくったりもしたし、給料も破格の給料にしようとした。
しかし、経営が傾いてくると、その給料が持つわけもない。

完全な間違いも、完全な正解もない経営という課題に対して、
いくつかは成功したが、いくつかは失敗し、結果、倒産したということだ。

記事によれば、
社員が、今の給料は自分の能力が高く評価された結果だと考え始めてしまい、「給与が上がったからもういいや」と守りに入ってしまう人が多かったですね。そして給与が下がった途端に、多くの人が辞めていきました。』
とある。

給料を至上命題にしてしまうと、こういう結果になる。
”高く評価された”というのは、おそらくは、とんだ勘違いである。

会社には、仕組みが必要だ。
社員のためにも、勘違いさせてはいけないのだ。
可愛い部下もいるが、勘違いさせることは、その人のためにならないどころか、
大きな足枷となる。

かし、社員もそれを求め、会社もそれを与えた。
倒産は必然だったのかもしれない。


社員も会社も、給料や待遇という目先のことだけを考えて走った結果である。


私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日

2012年5月22日火曜日

産経新聞原発関連の世論調査に思う、政府への不信感

朝の産経新聞一面。
原発関連の世論調査ニュース。

◯電気の使用が制限された場合、経済・安全面で悪影響が生じる
     思う・・・82.7% 思わない・・・15.5%

◯電力が不足するなら、安全が確認された原発は再稼働させてもよい
     よい・・・51.5% よくない・・・43.6%

◯政府や電力会社が示す電力需給の見通しは信頼出来る
     できる・・・18.6% できない・・・75.7%

という結果がでていた。

然、電気使用が制限されたら経済・安全面で何らかの悪影響は生じるだろうが、
安全が確認された原発は再稼働させてもよいという問いに対しては、
50%超の人がよいと答えている。

安全よりも経済への悪影響を懸念する人が増えた結果かもしれない。
この質問が「安全が確認された・・」となっているために、
この答えということも考えられる。
この「安全」をどう確認するかが非常に難問だ。
どんなことが起こるかはわからないからだ。
想定外なら許すのか?ということも考える必要がある。
そもそも、原子力を人間は使いこなせない。
それをどう安全確認するのかという問題だ。

また、政府や電力会社の情報が信頼できないという人が圧倒的多数になっている。
これは、311以来の経過をみれば当然の結果だ。
特に政府が国民の信頼を得られないというのは、政権の末期症状といってもいい。
この信頼を取り戻すことは並大抵ではない。

電力会社や官僚組織の暗部を完全にさらけ出すぐらいのことをしなければ、
信頼は取り戻せないだろう。

かし、これらの設問に足りないものがある。
質問者の新聞やメディアへの信頼があるかどうかという設問だ。
この質問をした場合、信頼しない人が多数に上るとおもわれる。

自らを律することができなければ、
新聞をはじめとするメディアも末期症状なのかもしれない。

小さな人にならないために

(荘子)に言わせれば、世間でもてはやされる知識や能力は、
しょせん「小知」にすぎないのだという。
なまじそんなものを持てば、
いたずらに人間を傲慢にし、
他人を見下して、いさかいが絶えなくなる。
その結果、人を傷つけ、わが身を破滅させることにもなりかねない』
 (『荘子の人間学』守屋洋より引用)

とても耳に痛い言葉だ。
会社で使える知識や能力など大したことはない。
どの人も、そう大差ない能力しかない。
なのに、偉い人、偉くない人という差が生じ、
命令する側と命令される側に別れる。

こういう人を誰もが頭に浮かぶほど、
多いのではないだろうか?
自らの反省もしなければならない。
荘子の視点からみれば、恥ずかしい限りだ。

の中では荘子の言うところの知識や能力がもてはやされがちだ。
そんな能力や知識は荘子に言わせれば「小知」でしかない。
「小知」にとらわれた人間は愚かでしかない。
その愚かさから免れるには「大知」を目指すしかない。

『「大知」を身につければ、
すべてのものをあるがままに受け入れて、
みだりに小細工を弄さなくなる。
自他の差別にもとらわれず、
すべてのものを大きく包み込んでいく。
些細な知識や能力を鼻にかけて、
人を見下すこともしなくなる』
 (『荘子の人間学』守屋洋より引用)

まらない世の中で生きていくのに、
せめて「大知」を身に付けて、飄々と生きたいものだ。


「荘子」の人間学


出世の断り方

き方に新たな考え方が吹き込んでいる。

ノマドワーカー
フリーエージェント
ひとり社長・・・

これまでの日本人の働き方に対するスタンダードは、

出世したい
給料をあげたい

というのが、中心的な考え方だったのだろう。

しかし、最近のアンケート結果によると、
「暮らしていける収入があればのんびり暮らしていきたい」
という若者が43%もいるそうだ。
ちなみに、その割合は
中国-19%
韓国-22%
米国-14%
ということでダントツだ。

また、「偉くなりたい」という若者の割合も、
日本- 8%
中国-34.4%
韓国-22.9%
米国-22.3%
ということだ。

由は、
「偉いと責任ばかり多くて損をする」
「リーダーになりたくない」
「何の責任もなく楽しくやりたい」
というようなことらしい。

どうやら、日本は後ろ向きな社会になったようだ。
いや、言葉が悪いが、いい表現が見当たらない。
後ろ向きとは言ったが、決して悪いこととは思わない。

しかし、これは老荘のいう生き方か?というと、
私は決してそうではないと思う。
現象面では一緒かもしれないが・・。

荘の場合は、
すべてを見渡せる能力が身についた上で、
責任者にはならないことを勧めている。
『大知』というものが身についている人と、
『小知』しかない人の判断は自ずと違う。

では、『大知』を身に付けるにはどうすればいいか?
経験や読書など地道な努力しかない。
老荘思想は決してただ楽をすることを勧める思想ではない。
経験や読書を積み、『大知』を身につけた上で、

『社長の就任はお断りします』

と言えるような人になりたいものだ。


「荘子」の人間学


2012年5月21日月曜日

自由な生活は決して自由ではないが、その自由を考えることは無駄ではない

前回のブログでは荘子が”自由”を選んだという話をしたが、
”自由”とは実際に”自由”ではない。

例えば、憲法では、様々な自由が保証されているが、
完全な自由ということを意味しない。
それは、”公共の福祉”や”平等”という別概念に制限される。

また、荘子は”自由”を選んだ代償として、貧乏を余儀なくされた。
貧しさは、

何でも買える自由
どこでも行ける自由

食べたいものも食べる自由
いいところに住む自由
・・・

多くの自由を制限する。
よって、”自由”を選んだとしても、
それは”自由”では決してない。

そのかわり、

人のいいなりにならなくてもいい
意に沿わないことをしなくてもいい
わずらわしいこと、人とのつきあいを遮断できる
どうでもいいことに悩まなくてもいい
・・・

という”自由”は得られる。

どんな”自由”を選ぶのか?
後者を選んだのが荘子である。

ノマドワーカーやフリーエージェントも荘子に近い自由を選んだのだろう。

ストレス社会といわれ、うつ病も人類の歴史上かつてないほど、
多くの人がかかっていると思われる社会。
この社会において、こういう”自由”は検討するに値する。




荘子とスティーブ・ジョブズの言葉にしびれてみる

荘子は春秋戦国時代に生きたとされるが、
名声を聞きつけた国から宰相に請われたことがある。
荘子はそれを断る。
自由を選んだのだ。
自由を選ぶことは決して楽なことではない。
生活も段違いである。
宰相といえば、今でいう総理大臣のような立場である。
人民が到達できる最高位である。
そんな生活よりも自由で、貧乏な生活を選んだ。
荘子は、疲れる日常よりも、自由で貧乏な日常を選んだ。

この荘子の選択は、
会社で上司の顔色を伺いながらコツコツと出世していくこと選ぶのではなく、
現在のノマド生活、フリーエージェントの生活を選ぶことに似ていないだろうか?

どちらが正しいということではないのかもしれない。

辛いけど、煩わしい社会の中で生き、ストレスを感じながら、
日々疲れるけれども、生活は安定するという選択。

自由で気ままで、人との関係でのストレスはないが、
貧乏で、安定しない生活。

どちらを選ぶかは、それぞれの人の選択次第だろう。
どちらのメリットもデメリットも消そうと思えば消せる可能性もある。

こういうことを考えて、
これからの人生を考えることも、
たまにはいいのかもしれない。

荘子や老子は、大きな目で見れば、
日々のつまらぬ不安や不満は、どれもくだらないことに見えるとも言っている。
こんなことで悩むこと自体も、彼らにはつまらぬことなのかもしれない。

スティーブ・ジョブズの言葉
『今日が人生最後の日だったら、今日やろうとしていることをやりたいか?』
も、荘子の思想につながる言葉なのかもしれない。


「荘子」の人間学

2012年5月17日木曜日

盤石な会社を作る9つの方法

会社が安定的に利益を出すには、いくつかの法則がある。
その法則を少しずつでも築いていければ、収益面では盤石な会社ができあがる。

1)顧客数の確保
なるべく多くの顧客を確保し、売上の分散をする。
一つの会社に売上の多くを依存している状態は避けなければならない。
多くとも1つの顧客の売上シェアは20%以内にしたい。

2)複数事業の創造
一つの事業では景気の波や法律改正などの突然の変化に対応できなくなる。
複数の事業を走らせて、複数の収入源を確保することで、
安定性が増す。

3)固定収入の確保
極端な話、毎い月売上ゼロから売上を築いていくというのは、
非常にリスクが高い。
毎月、少なくても、例えば、アウトソーシングのような1年以上の契約がある売上を
確保しておくと、経営が安定する。

4)固定費の削減
固定費、つまりは、売上が上がろうが上がるまいがかかる費用をなるべく減らすことだ。
ほとんどの会社は、人件費が最大の固定費になる。
人件費もやりようによっては変動費になる。
工夫しよう。

5)固定費の変動費化
固定費は、なるべく変動費化するべきだ。
変動費とは、売上に比例してかかってくる費用のことだ。
人件費その他、なるべく多くの費用を固定費から変動費にかえることで、
売上が少なくなっても、費用が少ないために、耐えられる。

6)人件費の抑制
給料というのは、
『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』
という本によれば、労働力に比例して上げ下げするものではない。
人件費を抑制するためには、なるべく労働価値の低い仕事で、
売上が上がる仕組みを築くことが重要だ。

7) 銀行借入に頼らない
銀行は調子のいいときには、いくらでも貸してくれるが、
悪くなると途端に態度が変わり、貸してくれなくなる。
経営を銀行に頼るようになると、その会社は終わりだ。
銀行からは原則として借りない。
資金調達は、投資家からの調達など直接調達にすべきだ。
その場合は、当然、投資家に利益をもたらす必要があるが・・。

8)マーケティングの実施
事業環境というのはめまぐるしく変わる。
マーケティングを行うことがリスクヘッジにつながる。
当然、100%成功する事業などない。
しかし、成功の確率は確実にあがる。

9)マネジメントの充実
多くの企業では、マネジメントという言葉はよく使われていても、
実際にマネジメントが行われている企業は少ない。
しかし、マネジメント機能がなければ、
組織を成功に導くことはできない。

簡単そうに、9つ書いたが、
それぞれを実行することは非常に難しいかもしれない。
しかし、社長一人でやる必要もない。
できる人にアウトソーシングしてもよし、
パートナーとやるもよし。
そのぐらいの投資は、効果の方がはるかに大きい。

僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)














2012年5月16日水曜日

組織を崩壊に導くTOPの優柔不断

良くも悪くも、TOPの意思というのは統治構造の柱となる。

企業であれば社長、国であれば首相や大統領である。
これが、ブレるということは、所属する組織の土台が揺れ動くことにつながる。

ある企業で、ある事業を今後は会社の柱として進め、
あらゆる資源をこの事業に投入するという意思決定をし、社内で発表をした社長がいた。
しかし、その後話してみると、
『どうしようかなぁ』
と言っている。
『あれ?決めたんじゃないんですか?』
と尋ねると、
『一旦言ったものの、どうしようかと思って・・・』
と言っている。

まあ、悩むのは構わないが、
だったら、まだ発表しなければいい。
すでに社員たちは、社長の号令の下、走りだしている。

その後、その社長は、号令を撤回した。
損失額も多額に登った。
そして何よりも、社員たちの労力も無駄になった。
しかも、謝罪すらない。

こういう状態では、会社は成り立たない。
それは、 統治の根本がぶれているからだ。

かつての首相でも、言うことがすぐにコロコロ変わる人がいたが、
当然、すぐに退陣することになった。

こういう人たちはTOPにふさわしくないのだが、
なってしまったものは仕方がない。

朝令暮改が悪いわけではない。
誤った判断はすぐに訂正すべきだろう。
しかし、柱となるものについての判断がブレるということは許されない。

マニフェストで発表したものは柱となる政策だ。
これを、ないがしろにして、全く発表していない増税をはじめるというのも、
柱のない政権と言える。
統治構造が確固としていない。

統治の柱ということ、
意思決定の重み
ということを深く深く考えなければならない。