2014年2月26日水曜日
思い上がる安倍首相~憲法解釈について~
安倍首相によると、憲法解釈は、首相の判断で変えられるらしい。
日本国憲法は硬性憲法であり、憲法の条文を変えることは非常に高いハードルがある。憲法改正するためには、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案して承認を経なければならず、国民投票は、その過半数を必要とすると憲法第96条でざっくりと規定してある。要は、憲法の条文を変えることは相当難しいということだ。
よく憲法改正のときにでる条文が憲法9条だ。
憲法9条は
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。 国の交戦権は、これを認めない。
としている。
そのまま読めば、今の日本の自衛隊は憲法違反としか思えない。陸海空軍の戦力を保持しないのだから。しかし、これを憲法解釈で自衛隊は軍隊ではないとしている。
中国や北朝鮮の脅威、中韓との関係悪化など、昨今の国際情勢から考えても、全くの丸腰というのはいかがなものかとは思うが、世界有数の軍事費を日本は使っている。
憲法9条ですら、こういう解釈をしているのだから、解釈次第ではすべての条項はなんとでも読むことができるようになってしまう。
それも、時の総理の判断次第で憲法解釈ができるとすれば、ほぼ1年毎に総理が変わる日本では、毎年解釈が変わりうるということになりかねない。そもそも、総理一人の判断で解釈ができると思うことがおかしい。思い上がり以外の何ものでもない。
最近、安倍氏側近からも暴言が多くなっている。ねじれも解消し、目下のところ、自民党内にもライバルもいない状況の中、調子にのっているとしか思えなくなってしまっている。当然のことながら、政治とは国民のためのものであり、一人の人間の主義主張を達成するためのものではない。
憲法は国家の背骨だ。これがグラグラになれば、国家としての体をなさなくなることは必然。当たり前のことだが、国権の最高機関である国会での審議、そして採決が必須の話だ。
裁判所も憲法解釈などを高度に政治的判断として逃げないよう、きちんと判断して欲しい。
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