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2012年10月10日水曜日

組織戦略の考え方~意思決定できない組織~

組織作りの基本は官僚組織である。
様々な組織形態が試されてきたが、
基本はやはり、官僚組織である。
私が、クライアントから依頼されて、組織を作るときも、
オーソドックスなものを作る。
組織作りに奇策はない。

しかし、理想の組織というのはなかなか作れるものではない。
なぜなら、組織は紙の上で完成するものではなく、
所詮は人間が動くものだからだ。

理想の組織にするには、
組織を作った人の思った通りに動ける人が100%必要になる。
そんなことは有り得ない。
特に、マネジメントレベルとなると、完全に人が足りないというのが普通だ。
「誰か外にいないかなぁ」というのが、
ほとんどの経営者の決まり文句になる。

そして、その組織を完全に活かすためには、
トップの意思決定が不可欠となる。
実はこれができない会社もかなり多い。
以下、これを読んだ方が理解が早いので引用する。


「わが社では、トップが決断できない」という場合もあるだろう。
・・・
社内の公論がまっ二つに割れるような状況では決断できずに、
決定を先延ばしにしていってしまうことが生じる可能性がある。
トップが決断できない人であっても、
トップ周辺の人間がトップに無理矢理に決断を迫ることができれば、
どうにか組織は動いていくだろう。
・・・
しかし、「そのトップ周辺の人々も決断できない」という会社の場合には、
これはもうどうにもならない。
早々に転職を考えるべきであろう。」

『組織戦略の考え方-企業経営の健全性のために』沼上幹 ちくま新書より引用


といっても、こういうトップを戴く会社は、
遅かれ早かれ崩壊することは間違いない。

組織戦略の考え方―企業経営の健全性のために (ちくま新書)

2012年9月29日土曜日

「動機善なりや、私心なかりしか」稲盛和夫氏の経営

「動機善なりや、私心なかりしか」

京セラの稲盛和夫会長のお言葉である。

「稲盛和夫 独占に挑む」渋沢和樹 日経ビジネス人文庫
は、電電公社(NTT)の独占体制を壊し、
日本の通信料を安くするために稲盛氏を先頭に戦った記録である。

稲盛和夫 独占に挑む (日経ビジネス人文庫)

私が大学生のころには携帯電話は一般的ではなく、
車載用電話も異常に高かった覚えがある。
携帯電話は私が働き始めてから一般的になってきたので、
20年程前になろうか?
大学の時に携帯電話があったら、生活もかなり変わっていたなぁと、
今の学生を羨ましく思うこともある。

一応、述べておくが、稲盛氏が作った会社は、今のKDDI。
”au”の携帯電話を販売している会社でもある。

稲盛氏はこの会社を全くのゼロから立ち上げている。
インフラは何もない状態からの立ちあげだ。
当時、通信の自由化が国家政策として打ち出されたものの、
稲盛氏の会社しか完全民間会社はなかった。
他の新規参入通信会社はいずれも鉄道や高速道路を擁し、
全くの徒手空拳の会社だった。
しかし、たった8年で上場企業となった。
完全なゼロから立ちあげたこのウラ話は何とも凄い。
凄すぎます。

しかも、稲盛さんは上場時の株式は一株ももらわず、
さらに給料すらもらっていない。

まさに、
「動機善なりや、私心なかりしか」
と、この会社を設立するときに、
稲盛氏が自らに何度も確認した通りの行動を起こした。

自分も日々の行動を反省しなければならない。
動機善なりや、私心なかりしか」と・・

2012年8月15日水曜日

給料交渉の舞台裏

給料をあげたい。
それは、誰しもが思うことだ。

しかし、会社がなくなれば、給料が上がるとか下がるとかいう次元ではなく、
全くのゼロになるということだということがわかっていない人は多い。

ゴネれば上がるという会社もあるかもしれない。
しかし、そういう会社は仕組がしっかりしていない、
社長が鉛筆なめなめ決めているところがほとんどだろう。

社員:「社長、この給料じゃ、生活できないですし、今の仕事量からすればやってられないです」
社長:「そうか・・・なら、このぐらい上げたらどうだ?やってくれるか?」
社員:「もう少し欲しいですけど、まぁとりあえず、いいですよ」

こんな会話が聞こえてきそうだ。
正直、双方ともに情けない人だと思う。
本来このような社員に社長は、どうすべきか?

社員:「社長、この給料じゃ、生活できないですし、今の仕事量からすればやってられないです」
社長:「そうか・・・なら、仕方がない。転職するしかないだろう。
    君のうちでの市場価値はそのぐらいだ」
社員:「でも、僕が抜けたら、この会社は結構大変なことになると思いますけど・・」
社長:「そうかな?まあ、しばらくは大変かもしれないけど、そんなに影響ないよ。
    自然と穴は埋まるものだよ」

こんな感じで話せないものだろうか?

また逆のケースはどうか?

社員:「社長、今期は、僕はこういう実績を残しました。それを踏まえて給料を決めてください」
社長:「よくやってくれたな。では、このぐらいでどうだ?」
社員:「僕の市場価値でも、僕の調査によるとこのぐらいです。」
社長:「どうやって調べたんだい?そんなことがわかるのかい?」
社員:「僕の知り合いの人材紹介会社で調べてもらいました。
    僕の実績、能力などを考えると、少なくともこのぐらいはもらえるそうです」
社長:「わかった。では、その額でこれからもよろしく頼むよ」


まー、こんなにうまくはいかないと思うが、
大事なのは、”市場価値”というキーワードだ。

会社側、社員、双方が”市場価値”を知っていた方がいいし、
”市場価値”をあげるためには、何ができなければならないのか。
どんな能力が身についていた方がいいのかを考えておかなければならない。

会社側も不当に安い給料で雇おうと思っていてはいけない。
正当な給与額というものを真剣に考える必要がある。
必要な人には、それだけの価値があるということだ。

しかし、残念ながら、ほとんどの人は、
泣き寝入りせざるを得ない人、そのままウン!と言わざるを得ない人、
ゴネて何とか上げる人・・・である。

自らの本当の市場価値をはかることが重要だ。
その上で給料交渉をすべきだ。

給料は会社に原資がなければ払えない。
そのためには、売上を上げること、コストを下げることしかない。
しかし、そのためのアクションを何もせずに、
ゴネるだけというのは、あまりにもさもしい・・・。



2012年6月19日火曜日

マネジメントを知らないということ

マネジメントを知らない人に経営はできない。

論理を知らなくても、

組織ということ
マネジメントということ
人を育てるということ

それを知らない人が管理職という仕事をすることはできない。
もちろん、経営なんてとんでもない。

こういう人が上に立つとどうなるか?

組織内が不調和を起こす
会社が維持できなくなる
誰からも理解を得られない
優秀な人間から辞めていく
・・・

という悪循環に陥る。

経営者は”徳”というものを持っているということが理想ではある。
しかし、それは難しい注文だ。
ただ、マネジメントを理解し、実行することはできる。
知らなければ、知っている人に頼めばいい。

しかし、マネジメントを知らない人が、
自分ができないから、他の人に頼むという行動はおそらくできない。
とすれば、
マネジメントを理解出来ない人は、
決して上に立ってはいけない。

不幸な人を増やすことにしかならないからだ。

2012年6月13日水曜日

会計本来の意味を知ろうとしない経理マン

前回、
「ビジネスマンで会計を知らない人はヤバイ」
というブログを書いたが、
実はその専門であると他の部署、職種の人なら思う経理マンでも、
会計を知らない人は多い。

彼らがやっているのは、
入力作業でしかない。

入力されて、でてきた結果から、何を読み取るか、
そして、どこへ向かうべきかということを考えている経理はあまりいない。
数字をみているということは、それだけアドバンテージがあるのだが、もったいない。

一般の社員が上場会社のように発表されていない財務諸表を手に入れることは難しい。
会社が見せてくれないのがほとんどだろう。
経理はそれを見ることができる。
でも、見ない。
それは自分の仕事ではないと思うからだ。

自分の仕事とは、本来、会社に与えられたものだけであるべきではない。
自らの方向性を考えて、プラスαの仕事をしていかなければならない。
でも数字入力に甘んじている人がほとんどなのだ。

よって、会計本来の意味を知っている人はかなり少ないことになる。
だから、武器になるのだ!


ビジネスマンで「会計」を知らない人はヤバイ

会計を知らない人は多い。
何も経理同様の仕事を知っている必要はないが、
財務諸表を見て、ある程度理解できるということは、
ビジネスマンなら必要だ。

損益計算書はわかりやすいので、
財務諸表でそちらを見る人も多いが、
それだけで会社の真実はわからない。

黒字なのにキャッシュがほとんどない会社もある。
いわゆる黒字倒産という事態になる会社だ。

大前研一氏によると、
ビジネスマンが備えるべき3つのツールは、
・会計
・英語
・IT
ということだ。

また、会計とはどういうもので、
どう理解すべきかということが簡単に書かれている本に、
稲盛和夫氏の「実学」がある。
これは、私が会計を教える際にはいつも確実にオススメする本だ。

会計を知らずして、
・会社の方針に文句は言えない。
・給料が高いの低いのは言えない。

だが、知ると、なぜそういう戦略をとるのか、
また、こういう戦略をとるべきだ!ということこともわかってくる。

ぜひ、読んでみてもらいたい。


稲盛和夫の実学―経営と会計

即戦力の磨き方 (PHPビジネス新書)

2012年6月5日火曜日

自らを律する人がこれからの時代に必要だ

スティーブ・ジョブズはアナーキーな状態のアップルに「責任」という概念を持ち込み、最悪の状態から、世界一の企業に育て上げた。

『アップルには自由な反面、意外なほど厳格な部分もあります。・・・上司からの業務命令は絶対で「右向け右」と言われたら右を向かないと辞めさせられると言っても大げさではないほどなのです』
                  「僕がアップルで学んだこと」松井博 アスキー新書より引用

多くの会社にはこの当たり前の概念の「責任」というものがない。また、アップルのような業務命令に絶対という厳しさもない会社も多い。

責任を果たさず、業務命令にも従わず、自らの権利だけを声高に述べる人は多い。

人間は弱い。
ラクな環境があれば、そちらへ逃げようとする。
それを制約することは、なければそれに越したことはないが、必要悪の一つだ。

会社が本当に社員のことを考えれば、
この「責任」を果たさせることや、制約を課すことは、
その人にとってプラスになるはずだ。
この本に書かれているように、自由だけが、人の創造性などを伸ばすわけではない。

しかし、残念ながら、会社も社員のことを本当に考えているとはいえない。 
社員の要望に答えるだけが社員のことを考えているということにはならない。
社員に徹底的に厳しくすることも社員のことを考えているということにはならない。
中庸が大事だ。。。

このように考えると、やはり会社という組織自体が、
もう少しで賞味期限切れになるのかもしれない。
会社は学校ではない。
様々なルールを作り、それに従わないものには罰を与える。
当たり前のことなのかもしれないが、嘆かわしいことだ。

人は自らの力で自分を律することができるはずだ。
増長しないこと、責任を果たすこと・・・。


僕がアップルで学んだこと 環境を整えれば人が変わる、組織が変わる (アスキー新書)




増長する社員を抑える秩序

『ジョン・スカリーやマイケル・スピンドラーがCEOだったころのアップルというのは、
顧客よりも自分の都合を優先する社員たちを増長させ、
履き違えた自由を許してしまっていました。
人間とは周囲に流されやすい生き物ですから、
ラクな方へラクな方へと流されていきます。
会社はそんな人間の集合体です。
ですから一度悪い流れができてしまうとズルズルと悪化の一途をたどっていきます』
「僕がアップルで学んだこと」松井博 アスキー新書より引用

人間は弱い。
しかし、だからといってルールを作って、がんじがらめにすればいいということでもない。
程よい秩序が必要だ。

増長する社員も悪いのだが、
増長した社員のゴネ得を許してしまう会社はもっと悪い。
アップルの場合は、スティーブ・ジョブズの復帰により、
秩序がもたらされ、その後の快進撃に結びついた。

上記書籍に書かれているように、
人間はラクな方へ流されるものであり、
その集合体である会社が秩序を作らなければ、
ただの無法集団になるだけだ。

毅然とした会社そして経営陣の姿勢が組織崩壊を防ぐはずだ。

僕がアップルで学んだこと 環境を整えれば人が変わる、組織が変わる (アスキー新書)

2012年5月25日金曜日

元人気企業社長のやってしまった経営ミス

先のことで終始するということは残念な結果を引き起こす。

下記のリンクは、元ワイキューブの社長の告白インタビュー記事である。

高額給与は社員のためにならず・・倒産した元人気企業社長の告白

私は、この記事の元となる本も拝読したが、
社長はある理念をもって、経営を行なっていた。
しかし、それのいくつかが間違っていたということだ。

長は、自社を人気のある企業にしたかった。
そして、バーをつくったりもしたし、給料も破格の給料にしようとした。
しかし、経営が傾いてくると、その給料が持つわけもない。

完全な間違いも、完全な正解もない経営という課題に対して、
いくつかは成功したが、いくつかは失敗し、結果、倒産したということだ。

記事によれば、
社員が、今の給料は自分の能力が高く評価された結果だと考え始めてしまい、「給与が上がったからもういいや」と守りに入ってしまう人が多かったですね。そして給与が下がった途端に、多くの人が辞めていきました。』
とある。

給料を至上命題にしてしまうと、こういう結果になる。
”高く評価された”というのは、おそらくは、とんだ勘違いである。

会社には、仕組みが必要だ。
社員のためにも、勘違いさせてはいけないのだ。
可愛い部下もいるが、勘違いさせることは、その人のためにならないどころか、
大きな足枷となる。

かし、社員もそれを求め、会社もそれを与えた。
倒産は必然だったのかもしれない。


社員も会社も、給料や待遇という目先のことだけを考えて走った結果である。


私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日

2012年5月22日火曜日

出世の断り方

き方に新たな考え方が吹き込んでいる。

ノマドワーカー
フリーエージェント
ひとり社長・・・

これまでの日本人の働き方に対するスタンダードは、

出世したい
給料をあげたい

というのが、中心的な考え方だったのだろう。

しかし、最近のアンケート結果によると、
「暮らしていける収入があればのんびり暮らしていきたい」
という若者が43%もいるそうだ。
ちなみに、その割合は
中国-19%
韓国-22%
米国-14%
ということでダントツだ。

また、「偉くなりたい」という若者の割合も、
日本- 8%
中国-34.4%
韓国-22.9%
米国-22.3%
ということだ。

由は、
「偉いと責任ばかり多くて損をする」
「リーダーになりたくない」
「何の責任もなく楽しくやりたい」
というようなことらしい。

どうやら、日本は後ろ向きな社会になったようだ。
いや、言葉が悪いが、いい表現が見当たらない。
後ろ向きとは言ったが、決して悪いこととは思わない。

しかし、これは老荘のいう生き方か?というと、
私は決してそうではないと思う。
現象面では一緒かもしれないが・・。

荘の場合は、
すべてを見渡せる能力が身についた上で、
責任者にはならないことを勧めている。
『大知』というものが身についている人と、
『小知』しかない人の判断は自ずと違う。

では、『大知』を身に付けるにはどうすればいいか?
経験や読書など地道な努力しかない。
老荘思想は決してただ楽をすることを勧める思想ではない。
経験や読書を積み、『大知』を身につけた上で、

『社長の就任はお断りします』

と言えるような人になりたいものだ。


「荘子」の人間学


2012年5月17日木曜日

盤石な会社を作る9つの方法

会社が安定的に利益を出すには、いくつかの法則がある。
その法則を少しずつでも築いていければ、収益面では盤石な会社ができあがる。

1)顧客数の確保
なるべく多くの顧客を確保し、売上の分散をする。
一つの会社に売上の多くを依存している状態は避けなければならない。
多くとも1つの顧客の売上シェアは20%以内にしたい。

2)複数事業の創造
一つの事業では景気の波や法律改正などの突然の変化に対応できなくなる。
複数の事業を走らせて、複数の収入源を確保することで、
安定性が増す。

3)固定収入の確保
極端な話、毎い月売上ゼロから売上を築いていくというのは、
非常にリスクが高い。
毎月、少なくても、例えば、アウトソーシングのような1年以上の契約がある売上を
確保しておくと、経営が安定する。

4)固定費の削減
固定費、つまりは、売上が上がろうが上がるまいがかかる費用をなるべく減らすことだ。
ほとんどの会社は、人件費が最大の固定費になる。
人件費もやりようによっては変動費になる。
工夫しよう。

5)固定費の変動費化
固定費は、なるべく変動費化するべきだ。
変動費とは、売上に比例してかかってくる費用のことだ。
人件費その他、なるべく多くの費用を固定費から変動費にかえることで、
売上が少なくなっても、費用が少ないために、耐えられる。

6)人件費の抑制
給料というのは、
『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』
という本によれば、労働力に比例して上げ下げするものではない。
人件費を抑制するためには、なるべく労働価値の低い仕事で、
売上が上がる仕組みを築くことが重要だ。

7) 銀行借入に頼らない
銀行は調子のいいときには、いくらでも貸してくれるが、
悪くなると途端に態度が変わり、貸してくれなくなる。
経営を銀行に頼るようになると、その会社は終わりだ。
銀行からは原則として借りない。
資金調達は、投資家からの調達など直接調達にすべきだ。
その場合は、当然、投資家に利益をもたらす必要があるが・・。

8)マーケティングの実施
事業環境というのはめまぐるしく変わる。
マーケティングを行うことがリスクヘッジにつながる。
当然、100%成功する事業などない。
しかし、成功の確率は確実にあがる。

9)マネジメントの充実
多くの企業では、マネジメントという言葉はよく使われていても、
実際にマネジメントが行われている企業は少ない。
しかし、マネジメント機能がなければ、
組織を成功に導くことはできない。

簡単そうに、9つ書いたが、
それぞれを実行することは非常に難しいかもしれない。
しかし、社長一人でやる必要もない。
できる人にアウトソーシングしてもよし、
パートナーとやるもよし。
そのぐらいの投資は、効果の方がはるかに大きい。

僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)














2012年5月15日火曜日

”見極める力”を身につけるには?

経営を行うものには、物事を

”見極める力”

が必要だ。
経営者には多くの情報が入ってくる、
そしてそれを取捨選択しなければならない。

怪しげな儲け話
世の中のトレンド
社内の様々な噂話
などなど

こういう話をすぐに信じて確信に変えることは本当に危険だ。

今の世の中、新聞やテレビの報道ですら、いや、国家の発表ですら、
怪しい情報は多い。
すべて自ら調べて判断する癖をつけないと、
本当に判断することは危険だ。

社内の噂話や、事業判断なども、
人の意見を聞くという姿勢は重要であるが、
それは頭ごなしに信用するということはしてはいけない。

そこには、それぞれの情報を
”見極める力”というものが必要となる。

こういう能力はどうすれば身につくのか?
1)自ら調べるという癖づけ・・・裏取り
2)先を見通す力 ・・・このままいけばどうなるのかという想像力
3)決断力・・・実務に適応した決断力
4)視点・・・すべてを見通す大きな視点
これぐらいあれば、”見極める力”というのは備わるはずである。

まぁ、それが難しいのですが・・・





組織拡大のための秘訣

社会においてももちろんそうだろうが、
企業組織において”人を信じる”ということは非常に重要である。

”人を信じる”から、人に仕事を任せることができる。
”人を信じる”から、組織は大きくなれる。
”人を信じる”から、売上も多くなる。
”人を信じる”から、利益も多くなる。
人を信じないことには、会社は大きくならない。

しかし、人に仕事を任せられないという人は多い。
理由は、

「自分の仕事がなくなるから」
「危なくて任せられない」
「大事な仕事だから」・・・
これはすべて間違った考えだ。

今までやってきた仕事を人に任せて、
自らは自らの新しい価値を見出せばいい。

大事な仕事ができる人を増やすことが、
組織の強さになり、会社の強さになる。

また、経営者でも”人を信じる”ということができない人は多々いる。
特に創業経営者に多く感じる。
これまで1人でやってきた自負もプライドもあるのだろうが、
これでは、会社は大きくなれないし、
いつまでも最下層の仕事を社長がやっていなければならなくなる。
そして、人を信じない経営者には、人はついてこなくなる。
これは、組織崩壊につながる。

”人を信じる”ということは、簡単そうで難しい。
そして、信じた結果、裏切られることも多い。
というよりは、ほとんどがそのケースになるのかもしれない。
しかし、それでも、”人を信じる”ということをしなければ、
会社の拡大は果たせない。

であれば、

裏切られようが、”人を信じる”しかない!

2012年5月14日月曜日

かわいそうなビジネスリーダー

全体像を見えない人がビジネスリーダーや管理職、経営者になることは非常に怖いことだ。

なぜなら、目先のことで終始してしまうからだ。

ビジネスだと思ったことが実は、ビジネスにはならない。
全体が見えないから、ビジネスを仕組み化するということができない。
会社の利益は、(売上ー経費)であるということを頭でわかっていても、体ではわかっていない。
キャッシュ・フローという概念がわからないため、金をアホみたいに使う。

信じられないことかもしれないが、
こんなことが実際に起こる。それも頻繁に。

こういう人はビジネスリーダーになってはいけない。
もし、請われたら、断る勇気を持たなくてはならない。

私の知り合いは、自分が社長に相応しくないと、
自らを降格して、部下を社長にしようとしている。
これはすごい決断である。
尊敬に値する。

断る勇気といっても、こんなことが普通にできる人は少ない。
上にあがればあがるほど、影響力は大きくなる。

いま、役職者になりたいという人は減っているらしい。
責任が重くなるというのが原因らしい。
そういう人は、そのままでいた方がいい。
そういう心構えで、上にたつことは不可能だからだ。

それを避けるためには、

大きな視点

を手に入れるしかない。
これは、会社で仕事をしている人はもちろん、個人で仕事をしている人も同様である。

2012年5月6日日曜日

「がっちりマンデー」サントリー特集から考える企業経営の人材配置

今朝の「がっちりマンデー」はサントリーの特集だった。

ここ数年、ハイボールが人気だが、その前までのウイスキー人気の凋落ぶりは惨憺たるものだった。
ある若手社員が、ウイスキーにソーダを入れてレモンを入れては?という意見を述べ、
それがハイボールになった。
この意見に、社内では、
「レモンを入れるなんて邪道だ」
「今までもあった飲み方でどうだろう?」
などと反対意見もかなりあったようだ。

私の経験から考えても、
社内からの反対意見は当然出てくる。。
それも、若手社員の意見など、ベテラン社員からすればそんな意見は従いたくない。

先に進もうとする勢力があれば、今を維持しようとする勢力がでる。

作用反作用の法則だ。

そして、大体が保守勢力が強い。
人間、今の状態を変えたくはないものだ。

企業は社長が独裁者だ。
特にサントリーは未上場の会社であり、なおさらだ。

この若手社員の意見に、
「とにかくウイスキーを売れ!」
と意思決定をしたそうだ。

この英断が、今のハイボール人気につながった。

企業は社長の意思決定がすべてだ。
しかし、だからこそ、周囲に人材を配置しなければならない。
なんでも一人で考えて、すべてが正しいスーパーマンは人間である以上、いない。
意思決定に資する意見を述べてくれる人を周囲に配置しなければならない。
サントリーの場合、若手社員の意見が社長に届くのだから、
きっと風通しのいい会社なのだろう。

統治の構造から考えれば、
社長の周りには、事業系の人材と財務系の人材の2人は少なくとも必要だ。
それぞれ が、どこまでの能力あるかにもよるが、
財務、会計、マーケティング、IT、そして本業についての能力が必須である。
それに応じて、人数は増えるかもしれない。

事業の成功可能性を高めるためにも、
社長の周囲に人材を配置する、
特に、社長に言い難いことを言える人間を置けるかどうかが、
事業の成否を左右する。
その、根本にあるのは、社長の器と言ってもいい。。。