2012年7月3日火曜日

荀子の言葉

宮城谷昌光さんの「奇貨居くべし」・・・何度目の復習だろうか?
「孟嘗君」が一押しだったのだが、
ここ数年は「奇貨居くべし」が一押し。
荀子の存在があるからだろうか?
ものすごい深い話に、何度読んでもお宝を発見できる。

「天下に名が知られるようになったら、天下とともに仁を楽しめ。
天下に名が知られなければ、かい然として天地のあいだに独立して、畏れてはならぬ。」

前回に続き、これも荀子から孟嘗君への言葉である。

そう、名を売るということ、これは昨今、パーソナルブランディングという言葉が流行りにように、
非常に重要なことかもしれない。
名が広まっていることは、何事かを為すときに、大きなアドバンテージとなる。

しかし、名が通っていなくても、
堂々と独立していればいいのだ!
と、当たり前のことながらも、
大きく背中を押してくれる言葉である。

やるべきことをやる。
そして、結果によって何も変える必要などない。

何も畏れることはない。


奇貨居くべし―火雲篇 (中公文庫)

本当の「こころざし』とは?

「花をみよ。早く咲けば早く散らざるを得ない。
人目を惹くほど咲き誇れば人に手折られやすい。
人もそうだ。
願いやこころざしは、秘すものだ。
早くあらわれようとする願いはたいしたものではない。
秘蔵せざるをえない重さをもった願いをこころざしという。
なんじには、まだ、こころざしがない。」
『奇貨居くべし(火雲篇)』宮城谷昌光

これは、荀子が少年・呂不韋にかけた言葉だ。
呂不韋は、後に秦の中国統一のきっかけといってもいい存在となる。

自分は、
人に言えば、前に進まざるを得なくなると思い、
自分のこころざしを多くの人に伝えてきた。
しかし、振り返ってみれば、それは軽いものだったのかもしれない。

秘蔵せざるをえない重さをもったこころざしを、
心に秘めて、
再度、チャレンジしてみたい。

本気で進めば、
雑音など気にならなくなることは間違いない。

時間も大切にするに違いない。

人とのつきあいも打算ではなく、
大事にするに違いない。




奇貨居くべし―火雲篇 (中公文庫)

2012年6月25日月曜日

マニフェストに書かれていない政策を達成するということ

税と社会保障の一体改革という名の、増税法案が国会を通ろうとしている。

政権党のマニフェストには一切書かれていないどころか、
ときの鳩山首相は4年間は増税しないといい、政権をとった。

数年前のマニフェストに必ずしも縛られる必要はない。
政治は生き物。
そのときどきで、様々な問題が生じる。
しかし、財政再建は選挙時に既にわかっていたこと。
やるのであれば、マニフェストに書くべきだっただろう。

昨年、民主党はマニフェスト達成度の中間報告をしている。
どういう計算か、56%の達成率らしい。
よくみると、何のことはない。
一部実施も含んでいる。

高速道路無償化もちょっとやった。
子ども手当も話がちがうけど、やることはやった。
などなど、ちょっとだけやったものも入っている。
そんなの当たり前だ。
手を付けていない44%が、本当にヤル気があるのかと疑いたくなる。

こういう騙されやすい数字は世の中に数多い。
実際に達成しているものは、本当に少ないだろう。
一般的感覚では、何もしていないとしか思えない。

そして、唯一やることは、
マニフェストに書かれていなかった消費税増税だ。

政治家が信頼されないのも致し方ない。


2012年6月19日火曜日

マネジメントを知らないということ

マネジメントを知らない人に経営はできない。

論理を知らなくても、

組織ということ
マネジメントということ
人を育てるということ

それを知らない人が管理職という仕事をすることはできない。
もちろん、経営なんてとんでもない。

こういう人が上に立つとどうなるか?

組織内が不調和を起こす
会社が維持できなくなる
誰からも理解を得られない
優秀な人間から辞めていく
・・・

という悪循環に陥る。

経営者は”徳”というものを持っているということが理想ではある。
しかし、それは難しい注文だ。
ただ、マネジメントを理解し、実行することはできる。
知らなければ、知っている人に頼めばいい。

しかし、マネジメントを知らない人が、
自分ができないから、他の人に頼むという行動はおそらくできない。
とすれば、
マネジメントを理解出来ない人は、
決して上に立ってはいけない。

不幸な人を増やすことにしかならないからだ。

2012年6月13日水曜日

会計本来の意味を知ろうとしない経理マン

前回、
「ビジネスマンで会計を知らない人はヤバイ」
というブログを書いたが、
実はその専門であると他の部署、職種の人なら思う経理マンでも、
会計を知らない人は多い。

彼らがやっているのは、
入力作業でしかない。

入力されて、でてきた結果から、何を読み取るか、
そして、どこへ向かうべきかということを考えている経理はあまりいない。
数字をみているということは、それだけアドバンテージがあるのだが、もったいない。

一般の社員が上場会社のように発表されていない財務諸表を手に入れることは難しい。
会社が見せてくれないのがほとんどだろう。
経理はそれを見ることができる。
でも、見ない。
それは自分の仕事ではないと思うからだ。

自分の仕事とは、本来、会社に与えられたものだけであるべきではない。
自らの方向性を考えて、プラスαの仕事をしていかなければならない。
でも数字入力に甘んじている人がほとんどなのだ。

よって、会計本来の意味を知っている人はかなり少ないことになる。
だから、武器になるのだ!


ビジネスマンで「会計」を知らない人はヤバイ

会計を知らない人は多い。
何も経理同様の仕事を知っている必要はないが、
財務諸表を見て、ある程度理解できるということは、
ビジネスマンなら必要だ。

損益計算書はわかりやすいので、
財務諸表でそちらを見る人も多いが、
それだけで会社の真実はわからない。

黒字なのにキャッシュがほとんどない会社もある。
いわゆる黒字倒産という事態になる会社だ。

大前研一氏によると、
ビジネスマンが備えるべき3つのツールは、
・会計
・英語
・IT
ということだ。

また、会計とはどういうもので、
どう理解すべきかということが簡単に書かれている本に、
稲盛和夫氏の「実学」がある。
これは、私が会計を教える際にはいつも確実にオススメする本だ。

会計を知らずして、
・会社の方針に文句は言えない。
・給料が高いの低いのは言えない。

だが、知ると、なぜそういう戦略をとるのか、
また、こういう戦略をとるべきだ!ということこともわかってくる。

ぜひ、読んでみてもらいたい。


稲盛和夫の実学―経営と会計

即戦力の磨き方 (PHPビジネス新書)

ただの消費税UPではなく、税体型の抜本的改革が望まれる

税と社会保障の一体改革論議が進んでいる。
が、一体改革とは名ばかりで税制改革、というよりは消費税率UPだけの話がほとんどだ。

首相はマニフェストを無視し、自らの使命と高揚感を持ちながら、
ただただ突き進んでいるように見える。
権力者の間違った使命感ほど怖いものはない。

まだ修正協議とは称する民自公の協議の途中だが、
マニフェストで掲げた政策は次々と下ろしている。
であれば、野党が言うように解散すべきだろう。
首相の政治生命など知ったことではない。

いま、最も重要なのは、財政再建ではない。
デフレの脱却だ。

税制改革というのであれば、
消費税などちょこちょこと小手先で変えるのではなく、
抜本的に変えるべきだ。
法人税を払っている企業は極わずか。
さらに国際競争力をつけるために世界的に法人税は下げる方向。
儲かっている企業から税金をとるべきだという議論があるが、
そんなことをしていたら、日本に企業はなくなってします。
だったら、すべての企業のBSに例えば1%だけかけて、
それを税金にするという資産税を取り入れるだけでも大きな税収となる。
さらに、ひとつひとつの企業にとってもそれは安い。
そのかわり、消費税や地方税などなどはすべてなくす。
もっと言えば、個人もBSを作って、それが無理なら、
現預金などを補足して同じ資産税をかけてもいい。
そのかわり、社会保険料や所得税は廃止。
(詳しくはこちらのページを・・『復興税×資産税×日本復活』)

民主党のマニフェストにこうしたことが書かれていたのではないが、
こういう大きな変化を国民は民主党に望んだのではなかっただろうか?

今、税金をあげてしまうと、また消費が冷え込み、
デフレの上にまたさらなる不況が巻き起こる。
日本は沈みに沈む。
消費税をあげても、税収は増えない・・。